GeForce RTX 4060 TiとRTX 3060 Tiを50のゲームで性能比較した結果が登場。売れない理由が分かる結果に。

GeForce RTX 4060 TiとRTX 3060 Tiをゲーム50タイトルで性能比較した結果が登場。RTX 4060 Tiの冴えない性能が明白に

NVIDIAのGeForce RTX 4060 Tiについては2023年5月末に発売されたものの、仕様面では先代のRTX 3060 Tiに対して劣る部分が多く、CUDAコアは1割減となる4352基、VRAM容量は据え置きの8GB、バス幅は半分の128-bitと残念な部分も多くなっています。一方でNVIDIAでは動作クロックの向上やL2キャッシュの増加によってパフォーマンスはRTX 3060 Tiを超えると発表はしていますが、価格もRTX 3060 Tiを大きく上回る69,800円で発売したため、日本では深夜販売に1人しか現れない他に、海外では発売日に入荷をしない量販店や、発売数時間で定価を下回る額で販売する量販店など売れない事が約束されたモデルになっていました。

そんなRTX 4060 Tiについても発売から1ヵ月以上が経過した事もあり現在は定価より1万円ほど安価な59,800円で販売はされているものの、パフォーマンス面では5万円以下で販売されているRTX 3060 Tiから大きく変わらないケースも存在するとも言われているのですが、今回Techspotがゲーム40タイトルを用いてRTX 4060 TiとRTX 3060 Tiのパフォーマンスを比較する検証結果を掲載しています。

GeForce RTX 4060 Ti vs. RTX 3060 Ti: 40 Game Benchmark | TechSpot

計測方法としてはRyzen 7 7800X3DとGIGABYTEのX670E Aorus Master、32GBのDDR5を組み合せた構成にRTX 4060 TiとRTX 3060 Tiそれぞれで1080pおよび1440pでプレイ時または搭載されているベンチマーク機能の平均フレームレートが計測されています。

NVIDIAがGeForce RTX 4060 Tiに最適とされている1080p解像度における結果では、平均するとRTX 3060 Tiに対して性能の向上代は8%に留まる事が明らかになっています。特にテストされたゲームの内、70%は性能の向上代は10%未満で、20%近い向上代が見られたのは3タイトルのみに留まっています。また、5タイトルではRTX 3060 Tiに対して4%~10%下回るゲームも見られるなどRTX 3060 Tiに対して1万円余分に払う価値があるのか考えさせられる結果になっています。

RTX 3060 Tiまでは想定される解像度として挙げられていた1440p解像度においてはRTX 4060 TiとRTX 3060 Tiとの差は小さくなり、平均すると約5%の性能向上に留まっています。また、20%近い性能向上が見られたのは4タイトルのみで、その内半分はレイトレーシング設定を有効化した事によるものになっています。8タイトルに関しては、RTX 3060 Tiに対して性能が劣る結果になっており、21~1%下回る結果が記録されています。

RTX 4060 Ti(実売約59,800円)についてはRTX 3060 Ti（実売約49,800円）を20%程度上回る販売価格でありながら、実際のゲーム時のパフォーマンスについてはRTX 3060 Tiを5~8%程度上回るに留まっており、一部タイトルではRTX 3060 Tiを下回る事が明らかになるなど価格に見合うだけの性能は無いと言うのが現時点で言えることとなります。NVIDIAとしては『DLSS 3.0を使えばパフォーマンスの向上を実感できる』とアピールをしていますが、すべてのゲームが対応していないため、DLSS 3.0のために1万円程度払ってでもRTX 4060 Tiを購入する必要があるのか疑問が残る結果になっています。

そのため、現時点では無理して最新鋭だからとRTX 4060 Tiを買わずに、5万円程度で購入ができるRTX 3060 Tiを買った方がコストパフォーマンスも高く、満足度を得られる選択になると考えられます。