空冷のCPUクーラーで高い冷却性能を持つモデルと言うとNoctuaのNH-D15が挙げられますが、約8年と言う長いライフサイクルを経て、多くの進化点を盛り込んだ第二世代NH-D15が発表されました。
最強の空冷CPUクーラーが進化。Noctua NH-D15が発表
NoctuaではNH-D15と呼ばれるCPUクーラーを2014年に発売しており、これはすでに登場から8年以上経過していますが、2023年現在でも価格や大きさなど総合的に評価すると最強の空冷CPUクーラーであると言われています。ただ、上述の通り登場から8年と言うことで当時に比べるとAMDやIntelが発売するCPUの消費電力は高騰するなど状況が変化している事からNoctuaではNH-D15の第二世代モデル(以下 NH-D15 Gen2)Computex2023で登場しました。
NH-D15 Gen2は見た目自体は先代のNH-D15と大きく変わらず、色も独特な茶色やベージュを基調としたNoctuaカラーでデザインがされています。ただ、デザインは同じものの、冷却を司る部分は大きな改良が加えられています。例えば、このNH-D15 Gen2では冷却用のフィンは先代のNH-D15に比べてピッチが0.3mm狭められており、表面積は20%増となっています。また、ベースプレートからフィンへ熱を運ぶヒートパイプは6本から8本に増やされています。これにより、CPUクーラーの放熱性能は大きく向上しています。
冷却に肝心なファンについても新世代化が図られており、圧力と流量に最適化された次世代140mmファンが2つ搭載されています。このファンの詳細は明らかにされていませんが、NH-D15に搭載されていたファンはフィン部分はオーソドックスな形状になっていましたが、NH-D15 Gen2に搭載されるファンはフィン部分がジェットエンジンのブレードのような複雑な形状に変更されており、より高い圧力と流量で空気を送り出す事が可能になっています。
性能の向上のほかにCPUクーラーで求められる互換性についても細心の注意が図られています。最近のグラフィックスカードでは筐体サイズが巨大になり、CPUクーラーとの干渉も懸念されますが、NH-D15ではPCIeスロットとの干渉を避けるためベースプレートに対してフィンがオフセットされたデザインにされています。
また、最近のCPUではAMDのRyzenシリーズをはじめ、IntelもArrow Lakeからデスクトップ向けでチップレットを採用しますが、最も高い冷却が必要な部分にベースプレートの中心部分を当てるよう、オフセットマウントシステムも新たに搭載されるようです。これは最初はRyzen 7000シリーズ向けに導入されるようで、CPUクーラーを7mmオフセットさせることで、最も発熱が多くなるCCDの冷却性能を高める事が可能となり、CPU温度を最大3℃低下させる事が可能になるとのことです。
NoctuaではこのNH-D15 Gen2を2024年第2四半期に発売を予定しているようです。なお、価格については発表はありませんが、NH-D15が1.4万円前後で販売されていることから、このNH-D15 Gen2についても同じ価格か数千円ほど高くなる可能性はありそうです。どちらにしても非常に高価な空冷CPUクーラーになることは間違いはなさそうですが、性能についても空冷としては最高のものになると見られています。
コメント