AMDのRDNA 3アーキテクチャーを搭載するメインストリーム向けモデルであるRadeon RX 7600を海外では2023年5月25日に発売を開始しましたが、日本では2023年5月24日11:00より発売が開始されます。今回はそんなRadeon RX 7600について仕様やベンチマーク情報そして、在庫や予約に関する情報を紹介します。
Radeon RX 7600の予約、在庫情報
2023年5月26日 11:00|Radeon RX 7600発売開始。
最安値は玄人志向製のRadeon RX 7600 (税込 44,800) |
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Radeon RX 7000シリーズ初のメインストリーム向けモデル『RX 7600』
AMDでは2022年12月に発売したRDNA 3アーキテクチャーを採用するRadeon RX 7900シリーズ以降、新たなRX 7000シリーズグラフィックスカードの発売をしていませんでしたが、NVIDIAがラインアップを拡充する中で競争力を保つためにAMDでは2023年5月からRX 7000シリーズについてハイエンドのRX 7800シリーズからメインストリーム向けのRX 7600まで幅広いラインアップを投入予定としています。今回、この中でメインストリーム向けとなるRadeon RX 7600について、5月25日より海外で発売が開始され、日本では5月26日11:00より発売が開始されます。
Radeon RX 7600にはRDNA 3アーキテクチャーで設計されたNavi33 GPUのフルスペック版が搭載されており、Compute Unitは合計32基で18GbpsのGDDR6を8GB搭載し、バス幅は128-bitに設定されると見られています。また、Infinity Cacheも32MB搭載される仕様になっており先代のRX 6600に対して仕様面では全体的に向上しています。機能としてはAV1エンコードなどにも新たに対応が行われています。
モデル名 | RADEON RX 7600 | RADEON RX 6600 (参考) | RADEON RX 7900 XTX | RADEON RX 7900 XT |
---|---|---|---|---|
搭載GPU | Navi 33 XL | Navi 23 | Navi 31 XTX | Navi 31 XT |
製造プロセス | TSMC 6nm | TSMC 7nm | 5nm+6nm | 5nm+6nm |
ダイサイズ(GCD/GPU) | 204mm2 | 237mm2 | 300mm2 | 300mm2 |
ダイサイズ(MCD) | N/A | N/A | 522mm2 (MCDx6基) | 522mm2 (MCDx6基の内1基無効化) |
Compute Unit | 32 | 28 | 96 | 84 |
Stream Processors | 2048 | 1792 | 6144 | 5376 |
TMUs/ROPs | 128 / 64 | 64 / 28 | 384 / 192 | 384 / 192 |
ゲームクロック | 1.72 GHz | 1.6 GHz | 2.3 GHz | 2.0 GHz |
ブーストクロック | 2.65 GHz | 2.49 GHz | 2.5 GHz | 2.4 GHz |
FP32 TFLOPs | 21.75 TFLOPs | 8.9 TFLOPs | 61 TFLOPs | 52 TFLOPs |
VRAM容量・仕様 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 24 GB GDDR6 | 20 GB GDDR6 |
Infinity Cache | 32MB | 32MB | 96 MB | 80 MB |
バス幅 | 128-bit | 128-bit | 384-bit | 320-bit |
メモリー速度 | 18 Gbps | 14 Gbps | 20 Gbps | 20 Gbps |
帯域幅 | 288 GB/s | 224 GB/s | 960 GB/s | 800 GB/s |
帯域幅(Infinity Cache込み) | ? | ? | 3.5 TB/s | 3.5 TB/s |
消費電力 | 165W | 132W | 355W | 315W |
PCIeインターフェイス | PCIe 4.0 x8 | PCIe 4.0 x8 | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x16 |
価格(最安モデル) | 44,800円 | 56,100円 | 179,800 | 158000 |
性能はだいたいRadeon RX 6650 XT並み。コストパフォーマンスは悪くはない?
PowerColor Radeon RX 7600 Hellhound Review – Ray Tracing | TechPowerUp
AMDのRadeon RX 7600についてはメインストリーム向けでは下位モデルに位置している他、TSMC 6nmを採用するなどコストを抑える事に重点を置いたグラフィックスカードになっているため、先代のRX 6600に対して性能が爆発的に向上している訳ではありません。ただし、RX 7600については前世代のRX 6650 XT並みか若干超えるぐらいの性能は発揮できており、1080pレベルであれば多くのゲームを快適に動作させることが可能な性能になっています。
ただ、解像度を1440pに上げるとバス幅の影響で性能が比較的大きく下がるようで、1080pではIntel Arc A770に対して11%上回る性能でしたが、1440pにするとArc A770と変わらない性能にまで落ちています。
ただ、このグラフィックスカードで最も重要なのはコストパフォーマンスなのですが、Radeon RX 7600については北米での販売価格は$270という事で、1フレームレート描写するのに必要なコストは$4.35と言う計算結果が出ています。この結果は、先日発売されたRTX 4060 Tiの$5.12を15%下回っているほか、値下げしての販売が行われているRX 6000シリーズ(RX 6600を除く)に比べてもコストパフォーマンス面では優れている事がHardware Unboxedの調査で明らかになっています。
ただ、先代のRX 6600の価格が大きく下がっている事から、RX 6600に対しては若干劣っている結果ですが、AMD製品の多くは発売後には値下がりする傾向にあり、RX 7600については$270でも十分なマージンが取れている事から発売日に買わずに、少し待ってから買った方がコスパは良いかもしれません。
RX 7600については絶対的な性能は高くはないものの、コストパフォーマンスの優れる製品を入手したいメインストリーム向けユーザーには最適な製品であるとは言えそうです。ただ、AMDの$300→$270に値下げするという動きを受けてNVIDIAもRTX 4060の値下げを行う可能性があります。そのため、RX 7600とRTX 4060とで迷っている方は、RTX 4060の発売時期である7月以降まで待った方が良いと言えます。
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