NVIDIAではDLSSと呼ばれる、低い解像度で描写したグラフィックスを、4Kなどにアップコンバートする技術が採用されており、レイトレーシングなど非常に処理が重いゲームでも60fpsを越えるフレームレートを叩き出しています。しかし、AMDにはこのような機能はありませんでしたが、NVIDIAのDLSSに対抗する機能としてAMDはFidelityFX Super Resolutionと呼ばれる新技術を春ごろにリリースする見込みとの事です。
NVIDIA DLSS 2.0に対するAMDの回答
AMD FidelityFX Super Resolution technology may launch this spring – VideoCardz.com
NVIDIAのDLSSは重いゲームをネイティブ解像度より低い解像度で描写し、GPU内部で機械学習を使ってアップコンバートしネイティブ解像度とほとんど変わらない画質でネイティブ解像度の時よりも高いパフォーマンスを出す事が目的でした。この技術が初めて導入されたのはRTX 2000シリーズ登場時でDLSS 1.0として登場しました。しかし、画質がボケボケになる割りに、大きなパフォーマンス向上が無かったため不評に終わりました。しかし、DLSS 2.0の登場によりこの技術は使えるモノとなり、今ではCyberpunk 2077など一部のAAAタイトルには導入されています。
このDLSSのアドバンテージに対してAMDではRadeon RX 6000シリーズの発表時にFidelityFX Super Resolutionと言う名前で似たようなコンセプトの技術を打ち出しました。ただ、いつ頃リリースするかは2020年10月の発表会では発表されずに居ましたが、遂に2021年3月のAdrenaline Radeon Driverにてリリースされる見込みとの事です。
FidelityFX Super Resolutionと共にRadeon Boostが登場
ハンガリーのPCパーツ系のサイトProharvdverによると、AMDはFidelityFX Super Resolutionを有効にするドライバーアップデートを3月頃に予定しているとの事です。このアップデートにはもう一つの目玉機能であるRadeon Boostも搭載されるとの事です。
このFidelityFX Super ResolutionとRadeon Boostは両方ともフレームレートを上げる飛び道具の一つとなっています。FidelityFX Super Resolutionは冒頭で紹介した通り、ネイティブ解像度より低い解像度で描写し、GPU内部で機械学習を使ってアップコンバートしネイティブ解像度とほとんど変わらない画質でネイティブ解像度の時よりも高いパフォーマンスを出す事が目的です。
一方で、Radeon Boostでは動きに合わせて描写する解像度を調整する機能となっています。例えば、激しく動くシーンでは激しく動いている箇所だけ解像度を落とします。一方で画面の中心など高い解像度が必要な箇所では高い解像度を維持するなどして、ユーザーが画質の劣化を感じる事無く適材適所で必要な解像度で描写する技術になっています。この2つを組み合わせることでAMDでは、NVIDIAのDLSS2.0に対抗しようと考えている模様です。
関係無いですが、NVIDIA DLSSは名前が短くて覚えやすく、正式名称もDeep Learning Super Samplingとこちらも仕組みや機能を簡単に示していて覚えやすいです。
一方で、AMDのFidelityFX Super Resolutionはちょっと名前が長すぎです。ちなみにFidelityとは「忠実」と言う意味ですがあまり使ったことない・・・(忠実なら普通、Faithやloyalなどを使う)
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