AMDではRyzen 7000シリーズCPUがEXPOなどによりCPUやマザーボードが焼損する原因でもあるSoC電圧を最大1.3Vに制限した暫定BIOSを各社マザーボードメーカー経由でリリースしていますが、SoC電圧の他、温度制御システムなどにも改良を加えるなど恒久的な安全対策を施した正式BIOSについてはバグが多すぎる事からリリースが遅延しているようです。
AMDのRyzen 7000 CPU焼損問題を防ぐ正式なBIOSが開発中。ただしバグが多くリリースには時間がかかる見込み
Verwirrung um AGESA-Updates: AMD braucht klarere Vorgaben – Hardwareluxx
AMDのRyzen 7000シリーズ(X3D含む)についてはここ数ヶ月、EXPOを適用した際にCPUやマザーボードが焼損するという重大な不具合を抱えています。そのため、AMDでは不具合発覚後数日で、対策を施したBIOS、AGESA 1.0.0.7をリリースしました。ただ、このBIOSはCPUやマザーボードの焼損に繋がる原因の1つでもあるSoC電圧を1.3V以下に制限するだけのものでしたが、HardwareLuxxによるとAMDではAGESA 1.0.0.7の他に、すべての不具合対策とバグ修正が加えられたAGESA 1.0.0.9を準備中なのですが、バグが多いため数ヶ月程度リリースまで時間がかかる見込みのようです。
現在、各社マザーボードメーカー経由でリリースされているAGESA 1.0.0.7については多数のバグが存在しており、48GBのDDR5メモリーは4400 MT/sでしか動作しなかったり、本来は動作するはずだった温度制御システムであるROCHOT制御や温度が一定以上を超えると強制的に動作クロックを下げるPROCHOT制御も完璧に動作しないと見られています。そのため、AGESA 1.0.0.7については唯一の保護機能はSoC電圧を1.3V以上を超えない様にする制御のみに頼っている状態でありRyzen 7000シリーズの焼損問題に対する恒久対策が施されている訳では無いようです。
なお、AGESA 1.0.0.7についてはAMDや各マザーボードメーカー共に緊急対応を行った関係からか状況が混乱しておりAMDからアップデートに関する詳細な情報があまり出ておらず、AGESA 1.0.0.9など新情報がAMD以外のソースから登場している辺り、ユーザーの不信感を招いています。そのため、AMDとしてはAGESA 1.0.0.7で出来ている事、出来ていない事などを明確にし、今後どのようなスケジュール間でどのような対策やバグ修正などを行っていくのかなど透明性を持って対応する事が望まれます。
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