AMD Ryzen 7040 APUの詳細性能が明らかに。電力効率やGPU性能でIntelを凌駕

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AMDが近い内に投入を予定しているZen 4とRDNA 3を内蔵したAPU、Ryzen 7040シリーズですがこれらを搭載したノートPCを入手した中国のレビューアーが先行してRyzen 7040シリーズの内蔵GPU性能やCPU性能についてIntel CPUやNVIDIA製GPUとの比較結果を掲載し、その高い性能が明らかになりました。

目次

AMD Ryzen 7040の詳細レビューが登場。電力効率やGPU性能はIntel Raptor Lakeを凌駕。GPU性能はGTX 1650 Max-Qに迫る性能を発揮。

AMDでは2023年5月以降にZen 4とRDNA 3を内蔵したAPU、Ryzen 7040シリーズを搭載したノートPCを投入する予定としていますが、今回発売やレビュー解禁に先立ち、中国のBilibiliで活動するコンテンツクリエーターのGolden Pig Upgrade氏のよってRyzen 7040シリーズのハイエンドモデル、Ryzen 7 7840HS搭載ノートPCに対してCore i7-13700HやCore i5-13500H、Ryzen 7 7735HSを搭載したノートPCとのCPU性能や内蔵GPU性能の比較が行われています。

ノートPCはすべてLenovo製で、すべてLenovo IdeaPad Slim Proシリーズに統一がされています。また、TDPもIntel系がPL2が80W、PL1が65Wに対してAMD系がPL2 65WのPL1 55Wとほとんど同じ仕様になっています。一方でメモリーに関してはRyzen 7 7840HS搭載モデルではLPDDR5x-6400が搭載されているいる一方で、他のモデルではLPDDR5-5200か6400が搭載された仕様になっています。

Ryzen 7 7840HSのワットパフォーマンスはIntel Core i7-13700Hを8%上回る。Ryzen 7 7735HSに対しては最大23%向上

まずCPU系のベンチマークではCinebench R23のマルチスレッド時のTDP設定毎のスコアが計測されています。この中で、Ryzen 7 7840HSはどのTDP設定においてもIntel Core i7-13700HやCore i5-13500Hを上回っており、35W時はRyzen 7 7840HSはCore i7-13700Hに対して8%、Ryzen 7 7735HSに対しては17%と大きく上回っています。また、TDPを55Wにまで上げてもRyzne 7 7840HSはリードをキープしておりCore i7-13700Hに対しては5%、Ryzen 7 7735HSに対しては23%大きく上回る状態となっています。なお、Core i7-13700Hでは最大65WまでTDPの設定が可能ですが、それでもRyzen 7 7740HSの55W時の性能には到達していないため、Ryzen 7 7840HSのワットパフォーマンスは非常に高いという結果になっています。

内蔵GPU性能は断トツだが、RDNA 2に比べると13%の性能向上に留まる

Ryzen 7 7840HSの最大の武器はRDNA 3を採用した内蔵GPUですが、IntelのIris Xeグラフィックス搭載のCore i5-13500Hに対しては平均で2倍近い性能に、より高いGPU動作クロックが設定されているCore i7-13700Hに対しても166%と言う圧倒的な性能を記録しています。特に、個別のゲームのパフォーマンスを見ると、Apex LegendsやHITMAN 3、Watch Dogs Legionなどは50~60fps近傍に位置しており、画質設定を一部下げたり、FSRなどを活用すればほとんどのゲームは60fpsで動作するなど内蔵GPUだけでゲームが可能なレベルの性能となっています。

なお、RDNA 2を搭載するRyzen 7 7735HSとの性能差はあまり大きくなく、平均すると13%の性能向上に留まっています。

消費電力においてもRyzen 7 7840HS搭載のRDNA 3 GPUは優れており、ディスクリートGPUのRTX 3050との比較ではTDP 35W時ではRTX 3050では平均32fpsだったのに対して、Ryzen 7 7840HSでは79fpsと2.4倍近い性能を発揮しています。また、TDP 45W時でもRTX 3050が77fpsに対してRyzen 7 7840HSが82fpsと6%のリードを保っています。55Wに設定するとRTX 3050のパフォーマンスは一気に111fpsに跳ね上がるため、Ryzen 7 7840HSに関してはコア数が少ない事や128-bitのバス幅でLPDDR5xに接続されるなど内蔵GPUの限界が見える結果になっています。ただ、RTX 3050ではディスクリートGPUという事で追加でコストがかかっている事や、消費電力がGPU単体で最大75Wまで消費される事を考えると、APU単体でほとんどのゲームを快適にプレイが可能な60fpsを超えている点は評価できると言えます。

Ryzen 7040HS搭載ノートPCは5月以降に登場。価格もディスクリートGPU搭載モデルより安めに?

Zen 4+RDNA 3を搭載するRyzen 7040HSに関しては2023年1月開催のCES2023では3月から4月に発売されると発表があったものの、5月を超えてもAMDからのアナウンスは出ていません。この理由としてはTSMC 4nmの供給力の問題で、AMDの想定した数のチップが製造出来ていない事が原因と見られています。ただ、5月中には発売される可能性は高いと見られています。なお、価格についてはAPU単体で搭載したノートPCに関しては15万円台とディスクリートGPUを搭載していない分安くなると見られているため、仕事もゲームも薄型ノートPCでこなしたいというユーザーにとってはRyzen 7040HSやRyzen 7040U搭載のノートPCは最適な選択肢になると考えられます。なお、購入する際にゲーミング性能を重視したいのであればTDP帯が高いRyzen 7040HSを、コンパクトさや価格、バッテリー持続時間を重視したい場合はTDP帯が28W台のRyzen 7040U搭載のノートPCを選ぶことをおすすめします。


 

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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