AMDが2023年4月7日から発売を開始した3D V-Cacheを搭載するRyzen 7 7800X3Dですが、ASUSのX670マザーボードと組み合わせた構成でCPUが焼き上がり故障する謎の不具合が複数件報告されているようです。
Ryzen 7000X3DとASUS製X670マザーボードを組み合すとCPUが焼けて故障する不具合が複数件発生中。
AMDでは2023年4月7日に3D V-Cacheを搭載するミドルレンジ向けCPUとしてRyzen 7 7800X3Dを発売、非常に高いゲーミング性能を武器に初週の売上は絶好調でドイツでは単一モデルでIntelのLGA1700対応CPUを超える売り上げを記録したり、北米でもAmazonの売上ランキング1位を獲得するなど話題性の高いCPUになっています。
ただ、このRyzen 7 7800X3Dについて海外の掲示板RedditにてASUS製X670に搭載して使用したところ、CPUが故障する不具合が複数件報告されているようです。
Reddit上で報告されている不具合はu/Speedrookie氏が掲載しており、使用していたマザーボードはASUS ROG STRIX X670-Eだったとのことです。不具合の発生状況としては、帰宅するとCPUがアイドルだったにも関わらずファンが最大速度で回り、再起動を掛けるとマザーボード上のLEDには『00』つまりCPUが認識できないという故障コードが表示され、CPUを取り外すとLGAピンの一部とCPU側のパッドの一部が焼け焦げていたとのことです。
AMDのRyzen 7000系CPUに関しては、オーバークロックソフトを使うとCPUが故障する電圧まで昇圧する事が出来る不具合がありますが、このユーザーがオーバークロックや電圧設定を触っていたかは明らかにされていませんが、同様の不具合はRyzen 7 7800X3Dに限らず、Ryzen 9 7950X3DとASUS製マザーボードを組み合わせた例が複数件登場しているようです。
Ryzen 9 7950X3Dが故障した事を報告しているu/Enwyi氏によると、マザーボードにはASUSのROG Crosshair x670E Extremeを使用し、CPUに対してオーバークロックなどは一切加えていないとのことですが、ある日家に帰宅するとPCが熱を持った状態で切れ、CPUを取り外してみるとCPU側が焼けている事を発見したとの事です。
最初に紹介した、u/speedrookie氏の不具合に関しては、過去にNVIDIAのGeForce RTX 4000シリーズで大問題になった12VHPWR問題やGIGABYTEの発火する電源ユニット問題をいち早く取り上げていたGamersNexusがユーザーから故障したCPUとマザーボードの買い取りを実施しているようです。GamersNexusでは過去にも故障に遭遇したユーザーから壊れたコンポーネントを買い取り、調査する事があるので、今回も調査を行い後日、Youtubeの動画として紹介がされると見られています。
ユーザーとしては、CPUにRyzen 7000X3DとASUS製マザーボードを組み合わせている場合は、原因が分かるまで使わないのが最も安全策とはなりますが、この構成だとメインPCで使っている場合がほとんどであるため、簡単に『使用しない』と言うのは選択肢はかなり難しいと思います。
今のところ報告事例を見ていると『アイドルで放置し、帰ってきたら壊れていた』という例が多いため、外出時や就寝時などPCを使わない時は面倒ですが『シャットダウン』を行う事でリスクを減らす事が出来るかもしれません。
ただし、CPUが焦げるというのは内部で異常発熱からの発煙、発火が起きているため非常に危険度の高い事象です。そのため、ユーザーは可能な限り使用を控え、ASUSやAMD含めていち早くユーザーの安全のために原因究明と対策を施して欲しい所です。
ちなみに、最悪、このような壊れ方をしても販売店で購入している場合、RMA(保証修理)が適用できると思いますのでもし同様の問題に遭遇したら焦らず販売店にと合わせてみる事をおススメします。
コメント
コメント一覧 (2件)
焼ける前に電源カットするとかの安全装置って組めないのかね?
Intelはついてるんじゃなかったっけ?
今時のCPUではフェールセーフは基本だと思うので、何か他の要因があるんでしょうね。