NVIDIAのGeForce GTX 1650については価格が安価である事を背景に、発売から既に4年以上が経過しても未だに人気のグラフィックスカードとなっていますが、GTX 1650用のTU117 GPUの在庫がなくなり始めており、より高価なTU106 GPUへの切り替えが近々行われるようです。
NVIDIA GeForce GTX 1650のGPUダイが変更へ。より消費電力を喰うTU106 GPUを搭載で外部電源必須に?
NVIDIAのGeForce GTX 1650はグラフィックスカードの中でエントリーモデルにあたり、2万円台から入手可能である事から発売された2019年から既に4年以上が経過していても根強い人気を誇るモデルになっています。実際の人気は、Steamハードウェアサーベイでは2023年3月までシェア1位を記録するほどでした。また、NVIDIAではGeForce RTX 3050などエントリーモデルを発売しているものの、GTX 1650の後継となるモデルはまだ発売されておらず、今後も底堅い売上が記録されるグラフィックカードになっています。
しかし、中国のBoard ChannelsによるとこGeForce GTX 1650について搭載されているTuring世代の最下位GPUダイであるTU117 GPUの在庫がなくなり始めており、まもなくGeForce RTX 2060などに搭載されていたTU106 GPUを標準で搭載するように変更が行われる予定のようです。
NVIDIA GeForce GTX 1650 production reportedly shifts to TU106 GPU – VideoCardz.com
NVIDIAがGTX 1650のGPUをTU117からTU106へ置き換える理由は在庫問題以外に明らかにされていませんが、TU117についてはGTX 1630などにも採用されているため生産が中止されている訳では無いと見られています。
ただ、TU106 GPUについては2022年11月に搭載するGeForce RTX 2060の生産を全面的に停止しており、これらのグラフィックカードに使われる予定だったTU106 GPUの余りをGTX 1650へ使用するためGTX 1650のTU106 GPU化を進めているものと見られています。
GTX 1650がTU117からTU106へ変更される事によるパフォーマンスや消費電力への影響ですが、GTX 1650については既にTU117、TU116、TU106など3つのGPUバリエーションが存在していますがパフォーマンス面ではこれら3つのGPU間での差はほとんどないのがベンチマーク結果から明らかになっています。
しかし、消費電力面ではTU117に比べてTU106はGPUダイが2倍近く巨大化しており、一部は無効化されているもののCUDAコア自体は2304基搭載している事から高負荷時の消費電力はTU117に比べて20Wほど上がると見られています。そのため、外部電源が不要だったGTX 1650についてはTU106化される事で消滅する可能性がありそうです。実際に現在販売されているTU106搭載のGTX 1650では外部電源が必ず搭載されています。
GTX 1650については今回のRTX 2060などに搭載されていたTU106 GPUの他に、GTX 1660などに使われていたTU116 GPUにも対応しており現在でもTU117、TU116、TU106搭載バージョンなど多く存在するためNVIDIAにしてみれば都合の良い存在として扱われているように感じますね。ただ、このTU116やTU106 GPUがなくなればいよいよNVIDIAも次世代のエントリーモデルについて検討する必要があると思うのですが、GTX 1650の売れ行きが好調でライバルも存在する見込みもない2023年内に何か登場する可能性は低いと言えそうです。
消費者側としては、パフォーマンス面でTU117でもTU106でも変わらないので良いのですが、一番痛いのは外部電源が必須となる所と言えます。もし、外部電源不要なGTX 1650を求めている場合は早めに購入しておいた方が良いかもしれません。
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