AMDでは2022年秋にZen 4アーキテクチャーを搭載するRyzen 7000シリーズを発売、その後明らかにしたロードマップでは2024年頃に次世代のZen 5搭載、Ryzen 8000シリーズが登場すると見られていましたが、どうやらこのZen 5について当初予定されていたよりも早く投入される可能性があるようです。
Zen 5搭載のRyzen 8000シリーズは2023年末までに登場?GIGABYTEが年内に次世代デスクトップ向けRyzen登場を示唆
AMDでは2022年秋にTSMC5nmで製造されるZen 4アーキテクチャー搭載のRyzen 7000シリーズを発売しました。このRyzen 7000シリーズは現在はミドルレンジからハイエンドモデルを中心に3D V-Cache搭載モデルなどをラインアップしています。
このZen 4の次世代となるZen 5アーキテクチャーについてはAMDが2022年6月に設定したロードマップ発表会では2024年頃の登場が示唆されていましたが、GIGABYTEのサーバー・データセンター向け製品を扱う『Giga Computing』の新製品プレスリリースにて、Zen 5と見られる『次世代デスクトップ向けRyzen』が2023年中に行われる事を示唆する内容が記載されていたようです。
Giga Computingが発表したAMDソケットAM5に対応する1Uサーバーの新製品にて、ソケットAM5の未来に関して以下の様にプレスリリースに記載されています。
これらの新しい製品はエントリーレベルのサーバーですが、CPUサポートはここで終わるわけではありません。AM5プラットフォームは少なくとも2025年までサポートされます。今年後半に発売される次世代AMD RyzenデスクトッププロセッサーもこのAM5プラットフォームでサポートされる予定であり、今日これらのサーバーを購入する顧客はRyzen 7000シリーズの後継機にアップグレードする機会を持っています。
Giga Computing Announces Entry-Level AMD Ryzen-based Servers by GIGABYTE | News – GIGABYTE Ukraine
プレスリリースに記載されている『次世代AMD Ryzenデスクトッププロセッサ』についてはAMDのロードマップによれば、Zen 5を搭載するGranite Ridge CPUで製品名はRyzen 8000シリーズになると見られています。このRyzen 8000シリーズについてはあまりリーク情報などは出ていませんが、AMD自ら『Advanced Node』と表現しているため、少なくとも製造プロセスについては現行の5nmプロセスより進化したTSMC 4nmまたは3nmで製造が行われると見られています。
このZen 5については全く新しく設計されたCPUとなるため、Zen 3からZen 4の時の伸びしろと言うよりは、Zen→Zen 2ぐらいの大幅進化が期待できると言われています。また、CPUにはハイブリッドアーキテクチャーに似た機構が採用される可能性もあり、Zen 5を8コア、Zen 4を16コアで組み合わせたCPUが登場する可能性があるようです。
AMDでは2022年9月末にRyzen 7000シリーズを投入し、2023年3月には3D V-Cacheを搭載するRyzen 7000X3Dを投入していますが、Zen 5搭載Ryzen 8000が2023年末までに発売となればたったの1年での世代交代となります。
AMDがZen 5の投入を元々2023年投入で進めていたのか、2024年から促進させたかについては不明ですが、ライバルのIntelでは2023年はRaptor Lake-Refreshの投入のみに留まり、次世代デスクトップ向けCPUのArrow Lakeは2024年中旬まで登場しないと見られているため、このプレスリリースの通り2023年末までにZen 5が発売されればAMDはIntelのAlder LakeやRaptor Lakeで失ったシェアを取り戻す大きなキッカケとなり得るとともに、Intelにとっては大きな痛手となるのは間違いないと言えそうです。
ここで気になるのが、デスクトップ向けCPUが2023年末までの登場となれば、同じ設計が用いられているサーバー・データセンター向け製品も同時期に登場すると考えられるため、Intelにとってはこちらも大きな脅威となり得ると言えそうです。
コメント
コメント一覧 (2件)
7000シリーズは22年で3Dは今年23年だったと思いますが。。。
1年早く登場になっていましたね・・・ご指摘ありがとうございます。