Intelでは高性能コアと高効率コアを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャーを2021年に発売された第12世代CPU、Alder Lakeで投入をしていますが、AMDでもこのハイブリッドアーキテクチャーを採用したCPUを準備しているようで、その一部仕様について明らかになりました。
ハイブリッドアーキテクチャーを採用するAMD Ryzenシリーズが準備中。Phoenix 2 APUとしてエントリー向けノートPC向けに登場。CPU構成は2P+4E構成
AMDでは現行のZen4+RDNA 3を組み合わせたPhoenix APUに対して、より省電力化しChromebookやSteam Deckと言った低電力向けAPU、Phoenix 2を開発中と言われていますが、このPhoenix 2が天の川銀河の構造を研究する分散コンピューティング。MilkyWay@Homeのデータベースに登録されている事が明らかになりました。
MilkyWay@Homeのデータベースに登録されたのはPhoenix 2を示すCPU ID、A70F80の一つで、データベース上では12スレッドを搭載しており、CPUキャッシュは1MBとZen4系CPUである事が分かります。
#AMD 12t #Phoenix2 CPUID A70F80 in MilkyWay@home:https://t.co/xZTMra8Svz https://t.co/a6hQbWi1Uo pic.twitter.com/Pd701SwSzU
— InstLatX64 (@InstLatX64) March 16, 2023
このデータベースに登録されたCPUについてInstLatX64氏によると、CPUの構成は12スレッドですが、内訳は標準的なZen4を2コア、動作クロックと電力効率の最適化を施した高効率コアを4コアの合計6コアと言う構成になっているとのことです。
Intelのハイブリッドアーキテクチャーでは高性能コアには高性能コア専用アーキテクチャー、高効率コアにはAtom系など高効率コア専用アーキテクチャをそれぞれ採用していますが、AMDでは開発リソースを減らすためにアーキテクチャは共通化し、動作クロックを変えるなどIntelとは大きく異なるアプローチでハイブリッドアーキテクチャーを採用しています。
このPhoenix 2 APUについては内蔵GPUにはPhoenixと同じくRDNA 3を採用するものの、省電力化を行うためにCompute Unitは削減される予定です。標準のPhoenixでは8~12基のCompute Unitを採用するところを、Phoenix 2では4~8基のCompute Unitに減らされるなど電力条件の厳しいエントリーノートPCやSteam Deckのようなハンドヘルドデバイス向けに最適化されたAPUになっています。
AMDでは標準のPhoenix APUについては2023年4月以降に順次搭載ノートPCが発売されるとしており、Phoenix 2に関しては2023年後半にも登場すると見られています。
AMDのハイブリッドアーキテクチャーについては2024年以降に登場予定だったStrix Point APUで採用されると言われていました。このStrix PointではZen4ベースの高効率コアとZen5ベースの高性能コアを搭載すると言われていましたが、一足先にすべてZen4アーキテクチャーを採用したハイブリッドアーキテクチャーが登場するようです。
ただ、ハイブリッドアーキテクチャーと言ってもIntelの様に異なるアーキテクチャーではなく、動作クロックが異なるZen4コアを組み合わせたハイブリッド構造となっており、開発ボリュームの低減と言う意味では賢い選択肢となりますのでこの辺り、AMDはIntelに比べて一枚上手だなと個人的には思っています。
コメント
コメント一覧 (2件)
ソレハイブリットちゃうでw
7900X3Dとかと同じやん
Phenlm 2に空目