NVIDIAではノートPC向けGeForce RTX 4000シリーズをハイエンドモデルから順次発表していますが、このなかでミドルレンジ向けとなるGeForce RTX 4070とRTX 4060のベンチマークが出現し、あまり大きな性能向上が見られないことが明らかになりました。
GeForce RTX 4070はRTX 3070に対して最大15%の性能向上。RTX 4060はRTX 3060に対して最大30%
NVIDIAではノートPC向けにGeForce RTX 4000シリーズをRTX 4090などハイエンドモデルから発表しており、RTX 4090についてはデスクトップ向けのRTX 3090 Tiに迫るような驚きのパフォーマンスを見せていますが、今回ミドルレンジ向けモデルとなるノートPC向けGeForce RTX 4070とRTX 4060の3DMarkベンチマークが出現しました。
ノートPC向けRTX 4070ではAD106 GPUを搭載、CUDAコアは4608コア、VRAMには16Gbpsで動作する8GBのGDDR6を128-bitのバス幅で搭載されます。なお前世代のノートPC向けRTX 3070ではCUDAコアが5120コア搭載されていたり、バス幅が256-bitであったなど今回のモデルでは仕様上は著しくスペックダウンしています。
ノートPC向けRTX 4060はGPUダイにAD107 GPUを採用、AD107のCUDAコアすべて有効化した3072コア、VRAMには16Gbps動作のGDDR6を8GBで128-bitのバス幅で接続がされています。このRTX 4060についても前世代のRTX 3060に比べてスペックダウンが行われており、CUDAコアは3840コアから3072コアとなり、VRAMは6GBから8GBへ増えて入るもののバス幅は192-bitから128-bitへ縮小されています。
これらのグラフィックスカードを搭載するノートPCメーカーのMechrevoが3DMarkベンチマーク結果を掲載し、前世代モデルに対する性能向上率が明らかになりました。
Mechrevoが掲載したグラフは横棒の長さが不正確ですが、数値に注目すると3DMark Time SpyにおいてはRTX 4060はRTX 3060に対して約25%の性能向上、RTX 4070はRTX 3070に対して15%の性能向上を記録しています。
また、負荷が軽い3DMark Fire Strikeに関してはRTX 4060はRTX 3060に対して30%と向上していますが、RTX 4070はRTX 3070に対して11%と低い向上率になっています。
RTX 4060についてはGPUダイがより廉価モデルの107系GPUが搭載され、CUDAコア数もRTX 3060の8割にまで減少するものの動作クロックが1.75 GHzから2.37 GHzにまで向上しているため性能を前世代のRTX 3060に対して大きく向上させることに成功しています。ただし負荷が軽いFireStrikeでは30%の性能向上が見られる一方で、負荷が高いTimeSpyでは伸びが25%と低くなっている点からバス幅の狭さがパフォーマンスに悪影響を与えている可能性があります。
一方で、RTX 4070についてはCUDAコア数はRTX 3070の9割程度となっていますが、動作クロックが1.75 GHzから2.175 GHzとRTX 4060などに比べると低くなっているほか、バス幅が256-bitから半分の128-bitに減った事が影響しているのか性能の向上は15%程度と大幅な向上は見られていません。
ノートPC向けに搭載されるRTX 4070やRTX 4060については特にRTX 4060では大幅な性能向上が見られておりひょっとしたらデスクトップ向けでもRTX 3060に対してRTX 4060は比較的高い性能が期待できるかもしれません。ただ、ノートPC向けRTX 3060に対してデスクトップ向けRTX 3060はVRAM容量が12GBから8GBに減らされているため高い動作クロックによってほとんどのゲームでは高いパフォーマンスが期待できる一方で、VRAM容量や帯域幅が要求されるオープンワールド系ゲーム(Hogwart Legacyなど)では厳しいパフォーマンスになる可能性もありそうですので油断はできないと個人的には思っています。正直、RTX 3070とかが安くなったらそっちを狙ったほうが良いかもしれません。
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