市場調査会社であるJon Peddie Researchが2022年第3四半期のGPUの出荷台数や各社のマーケットシェアなどを発表し、デスクトップ向け、ノートPC共に出荷台数が前年同期比で大きく低下している一方で、この状況下でもNVIDIAはシェアを伸ばしている事が明らかになりました。
GPU出荷台数がリーマンショック並みの低下を記録。一方でデスクトップ向けGPUではNVIDIAがシェアを86%。AMDは1桁台に転落
市場調査会社であるJon Peddie Researchが2022年第3四半期のGPUの出荷台数や各社のマーケットシェアをまとめた調査によると、2022年第3四半期のGPU(dGPU+iGPU)の出荷数は前年同期比で-25.1%、セグメント毎ではデスクトップ向けが-15%、ノートPC向けが-30%とリーマンショック以来の大幅下落が記録されたとのことです。
この中でディスクリートGPU(dGPU)に関しては状況が深刻でデスクトップ向けとノートPC向けを合わせた出荷数は合計14億台となっており、前年同期比の24億台から-41.6%の低下が記録されています。セグメント毎ではデスクトップ向けのdGPUに関してはマイニングによる特需もあったものの、前年同期比で50%、前期比では30%と大幅下落が記録されています。ただ、シェアを見ると22年Q3期ではNVIDIAが88%獲得、一方でAMDは8%と前年同期の17%、前期の15%と比べると大きくシェアを落としています。また、Intelに関しては22Q2からArc Alchemistを発売していますが、前期は5%、今期は4%とNVIDIAに押される形でシェアを落としています。
ノートPC向けでもディスクリートGPUの出荷数は落ちており前年同期比で40%、前期比で19%の下落が記録されています。
なお、ディスクリートGPUでは出荷数が大きく減らしていますが、内蔵GPUの出荷数に関してはデスクトップ向けは5%、ノートPC向けは4%の前年同期比増を記録しており、ディスクリートGPUのみ大幅なシェア下落が記録された事となります。
ディスクリートGPUのみ大きな影響を受けている理由としては、マイニングや新型コロナによる特需による反動が大きな原因と見られており、インフレなどにより電気代や食料品代など生活コストが高騰する中で娯楽品であるディスクリートGPUの需要が回復する見込みはまだ無いと言えます。
NVIDIAがデスクトップ向けGPUのシェアを88%も獲得しているのはグラボ=NVIDIAと言うブランド力そして、GTX 1650などエントリーモデルからRTX 3050、RTX 3060などミドルレンジ、RTX 4090などハイエンドまで隙間なくラインアップしてきた戦略の結果と言えそうです。
ただ、これだけシェアを握られてしまうと競合に対して圧倒的優位であることからRTX 4090やRTX 4080などのような馬鹿げた価格での販売を許してしまう事にもなるので、AMDのRadeon RX 7000シリーズなどでシェアを奪い返して欲しい所です。本当はIntelにも頑張って欲しい所ですが、経営状況を見ていると無理そうです。
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