QualcommがTSMCからサムスンへ乗り換えを検討中。3nmの量産遅れが原因

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Qualcommではスマホ用SoCのSnapdragon 8 Gen1にてサムスン電子製の5nmプロセスについて歩留りや発熱の問題から発売から1年以内にTSMC製に切り替えるなどしていましたが、次世代Snapdragon 8ではTSMCからサムスンにまた乗り換えを検討しているようです。

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Snapdragon 8 Gen 3はTSMCからサムスンへ変更へ

スマートフォン向けSoCを製造するQualcommではハイエンドモデルにあたるSnapdragon 8の最新鋭モデル、Snapdragon 8 Gen 1を2021年11月末に発表しています。このSnapdragon 8 Gen 1はサムスンの4nmプロセスを用いて製造がされていました。

しかし、このサムスンの4nmについては4nmの割には電力効率や発熱が大きかった上に、歩留まりが35%と非常に低く多くのスマートフォンに供給するには不足するという状態となっていました。そのため、Qualcommでは2021年12月ごろにはサムスンからTSMCへ生産を切り替えることを検討し、2022年5月にはTSMC 4nmで製造されるSnapdragon 8+ Gen1が発表されました。

このTSMCで製造されるSnapdragon 8+ Gen 1については特に問題を抱えておらず、次のモデルであるSnapdragon 8 Gen2についても製造が決まっていましたが、Qualcommでは次世代SoCであるSnapdragon 8 Gen 3にて再びサムスンへ戻ることを検討している事が台湾のDigitimesより明らかになっています。

サムスン電子製3nmプロセスの歩留率は20%台の模様。顧客はマイニング用ASICのみ

Qualcommがサムスンへ戻ることを検討している理由としてはサプライヤーを1社に限定することによる価格高騰や供給リスクの低減もあるようですが、最も大きな理由としてTSMC 3nmの量産が計画より遅れていることのようです。ただ、サムスンに関しては量産は開始されたものの、歩留まりが20%と驚異的な低さを見せていることから、この歩留りを解決しない限り契約は取れないとも見られているため、最悪な場合はSnapdragon 8 Gen 3の供給開始自体が遅れる可能性もありそうです。

 

3nmに関してはTSMCもサムスンも量産において何かしらの問題を抱えているようで、先端プロセスの難しさが表れていると言えそうです。また、低い歩留りや量産の遅れはコストの高騰にも繋がるため、今後発売される最新鋭スマートフォンやCPU、GPUなどは更に価格が上がる可能性が高そうです。

 

 

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