NVIDIAのGeForce RTX 4090で採用された12VHPWRについてRedditを中心に発火、溶損したという報告が相次いでいますが、この溶損が起きるメカニズムについて海外のテック系Youtuberが専門機関にも調査を依頼しておおまかな原因の発見に成功したようです。
NVIDIAから公式発表が無い12VHPWR問題
RTX 4090に搭載されている12VHPWRに関してはケーブルコネクターが発火、溶損するという不具合が海外のRedditを中心に報告がされていますが、その原因については様々な説が出ていますが、その説通りに溶損が発生する事例ことは今の所ありませんでした。
しかし、海外でPCパーツをディープに調査するテック系YoutubeチャンネルのGamers Nexusが調査会社なども使いつつ様々な検証を行い溶損のおおまかな原因とその再現をする事に成功したようです。
The Truth About NVIDIA’s RTX 4090 Adapters: Testing, X-Ray, & 12VHPWR Failures – YouTube
RTX 4090の12VHPWR溶損の原因はユーザーエラー?完全に刺してないと溶ける事が確定
Gamers NexusではこのRTX 4090搭載の12VHPWR発火、溶損問題が起きてから数週間に渡って独自の調査を行い原因と見られるパターンを発見したとのことです。
動画については30分程度と長編動画になっていますが、簡単にまとめると以下の通りです。
- 12VHPWRの溶損事例自体は全体の0.05%~0.1%でNVIDIAは今後詳細情報を提供するとのこと
- 12VHPWRのサプライヤーに関係なく発火、溶損は起きる可能性あり
- 発火、溶損は12VHPWRを完璧に挿していない事が原因
発火、溶損の詳しい理由については以下の通りです。
コネクター内にゴミが混入することで抵抗値が高くなり高温となる
Gamers Nexusがユーザーから集めた溶損ケーブルをX線などで確認したところ、コネクター近辺に何かしらのゴミが写っている事を書くにしたとの事です。このゴミによってコネクターピンの抵抗値が上がり異常発熱からの溶損に繋がる可能性があるとの事です。ただ、これだけが原因で発火、溶損に至る事は稀で多くの場合は次のコネクターの接続方法のようです。
コネクターが完全接続されていない
コネクターが完全接続されていない場合でケーブルを特定の方向(NVIDIAロゴのAと書かれている方向)に曲げるとコネクターピンの抵抗値が大きく増え、異常発熱が発生するとの事です。
実際に、RTX 4090の12VHPWRコネクターに完全接続されておらず、ケーブルをNVIDIAのロゴが書いてある側でAの方向に曲げた状態でFortniteをプレイするとコネクター部の温度はすぐに100℃を超え、コネクターの発煙と融解が発生しています。
なお、コネクターが完全接続されていない事が原因では無いかというのはCosairで電源ユニットの開発を行っているエンジニアが過去に述べていましたが、不完全な接続が12VHPWR溶損の原因である可能性が非常に高そうです。
NVIDIAの12VHPWR溶損は刺さりにくいから?PCI-SIGでは規格を改訂予定
RTX 4090やRTX 4080の12VHPWRケーブルが完璧に刺さっているか確認する方法とは?
Gamers Nexusによると12VHPWRケーブルが完璧に接続されている場合は特に不安に思う必要はなく、不安だからと言って何度も抜き差しして確認しているとコネクターが完全接続されていないという状況を作り出し、発火、溶損のリスクを高めてしまうとの事です。
この12VHPWRコネクターが完全接続されているか確認する方法としては、コネクターの爪を触らずに左右に揺らしながら抜こうとしても抜けなければ完全に接続されているという事になるようです。コネクター同士が密着している状態でも、左右に揺らして抜けてしまう場合があるようですので、かなり強く押し込んで接続する事が必要なようです。
RTX 4090に搭載されている12VHPWRコネクターが溶損するという問題ですが、確率としては0.05~0.1%と少ないようですが、今回Gamers Nexusや過去にCosairの電源ユニット開発者が結論付けているようにコネクターに完全接続されているのか確認する必要があるようです。
ただ、コネクターが完全接続されていないというユーザーエラーが原因だとしても、製品を作る側としてはユーザーがエラーを起こしても溶損のようなケガに繋がる構造や機構は極力排除する必要があり、NVIDIAや規格策定を行ったPCI-SIGに関しては安全に対する認識が甘いと言えそうです・・・
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