NVIDIAの12VHPWR溶損は刺さりにくいから?PCI-SIGでは規格を改訂予定

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NVIDIAのGeForce RTX 4090などで採用されている12VHPWRが溶損するという事例ですが、Corsairの電源ユニット専門のエキスパートによると12VHPWRについてコネクターに刺さりにくい事が原因で起きている可能性を指摘しています。また12VHPWRの規格制定を行ったPCI-SIGでは12VHPWR規格の改訂案が近々話し合われるようです。

目次

溶損する12VHPWRとGeForce RTX 4090と

NVIDIAのGeForce RTX 4090に搭載されている12VHPWRでは発売から1ヶ月を経たない内に12VHPWRのアダプターやネイティブの12VHPWRケーブルのコネクター部が溶損する事例が相次いで報告がされていますが、この12VHPWR溶損問題について電源ユニットなどPCパーツを製造するCorsairにて電源ユニット関係のエキスパートであるJonnyGury氏が最近起きているこの12VHPWR溶損問題について12VHPWRコネクターが刺さりにくい事が原因で起きている可能性を指摘しており、12VHPWRを使うユーザーに対して確認を呼び掛けているようです。

一方で、12VHPWRの規格制定を行ったPCI-SIGが近々12VHPWR規格に対して改良を行う案が近々話し合われる可能性が出ているようです。

12VHPWRとRTX 4090の差込が甘いため溶損に至っている可能性

Testing the Nvidia 12VHPWR adapter (jongerow.com)

Corsairにて電源ユニット関係のエキスパートであるJonnyGuru氏によると、12VHPWRの溶損原因の一つとして取り上げられている不適切な半田付けやケーブルの曲げ耐性について、ケーブルのコネクター部を一部解体した状態でケーブルを曲げるなど負荷を掛けてもケーブルの断線などは起こらず、多少曲げたぐらいで溶損に至る可能性は低いと結論づけています。

12VHPWRのコネクター導体部分はRTX 3000シリーズで採用されていた12pinと同じである事から溶損に至る原因が12VHPWR自体にあるとは考えられないとのことです。

ただ、12VHPWRでは12pinに小さな4pinが追加されておりこの変更によってコネクター自体が完全に刺さりにくくなっているとの事です。このコネクターが刺さりにくい事が原因でユーザーは12VHPWRを完全に差し込まずに利用し、結果的に高抵抗を引き起こしコネクター部が溶損に至っている可能性が非常に高いと結論付けています。

実際に、12VHPWRのアダプターを利用した例だけではなく、12VHPWRネイティブで接続した例でも溶損が発生している点からも差し込みの甘さが溶損に繋がっているとの考えを示しています。

JonnyGuru氏についてはこの12VHPWR問題に対してDiscordで『CorsairがRTX 4090のプロトタイプでどれだけの電源を失ったのか想像もできないよ』というコメントに対して『0台だ。溶けたケーブルとコネクターを取り換えてテストを続けたよ』とも回答しておりある程度この12VHPWRの溶損については知見を持っていると考えられます。

12VHPWRが確実に繋がっているか確認を。確認方法も紹介

12VHPWRの溶損について差し込みが甘い事が原因との事で12VHPWRとRTX 4090を利用するユーザーに対して今一度コネクターが完全に刺さっているか確認するように呼び掛けています。

確認方法としては、ケーブル側に付いているリテンションクリップ(あの押す奴です)を触らずに抜けないか確認し、更にGPU側のコネクターとケーブル側の間には一切隙間がない状態である事の2点が確認ポイントとの事です。特にケーブル側についているリテンションクリップについては完全に嚙み合っているかも確認できるならした方が良さそうです。

JonnyGuru氏自身もこの12VHPWRを完全に差し込む事が難しい事を認めているようで、完全差し込みを少し楽にする方法としてコンタクターグリスを塗布する事を勧めています。

PCI-SIGが12VHPWRのリビジョン案を審議予定。4pinの形状変更

Review Zone | PCI-SIG (pcisig.com)

12VHPWRの規格制定を行った業界団体であるPCI-SIGでは12VHPWRについて2022年12月6日以降に新しいリビジョンを公開する可能性があるようです。現在、この12VHPWRに関して設計変更のリクエストが行われており、内容の精査が行われているとの事です。

内容については4pinを覆うシュラウドを伸ばし4pinの破損を防ぐ措置が取られるようですが、4pin自体に大量の電気は流れておらず、万が一ピンが破損した場合には12VHPWRの供給電力が制限されるためこれらの改良が溶損問題の解決に繋がる可能性は低いと見られています。

 

12VHPWRについてはJayztwoCentzかGamersNexusの動画で『固くて繋ぎにくい』『カチって音がするけど完全には繋がれてないから気を付けて』と言うボヤキを聞いた覚えがあるのですが、もしそうだとしたら溶損する原因として完全接続されていない事が原因と言う可能性も高いと言えそうです。もしRTX 4090を持っている方は今一度12VHPWRコネクターが完全に接続されているか確認してみる事を強く勧めます。

ただ、正直な所NVIDIAが全くこの話について続報を出さない辺りもしかしたら差し込むだけで治るようなシンプルな問題でもない可能性もありそうです。もしこんなにシンプルであれば単純に注意喚起を行えば済む話ですので・・・でも、とりあえず今できる事としてはRTX 4090所有者はコネクターの接続状況を確認をしてください。

 

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • ああ、なるほど、「ユーザーのせい」ですね
    メーカーに過度の過失が有る訳ではなく、ユーザーが適切な使用を行わなかった事が原因なんですね

    なるほど、企業としての理念とか、コンプライアンスとか、色々理解しました

  • 問題を把握していてスルーしていたとは。

    最近、グラボに限らず消費電力や発熱、価格高騰が酷い。こんなバブリーなことをしていたら、ユーザー離れが起きそう。

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