AMDのRyzen 9 7950Xは2022年9月27日に発売が計画されているRyzen 7000シリーズ最上位モデルで、すでに複数のベンチマークなどが出現し電力効率は高いものの性能面ではCore i9-13900Kには10%近く劣る性能になるのではないかと言われていますが、適切に冷やせば逆転する可能性があるようです。
爆熱気味なRyzen 9 7950X。しっかり冷やせば最強?
AMDでは2022年8月29日にZen4アーキテクチャーを搭載するRyzen 7000シリーズを発表、IPCはRyzen 5000シリーズに対して13%向上させ、動作クロックの向上によりシングルコア性能はトータルで最大29%ほど向上すさせ、ゲーミング時のパフォーマンスについてはRyzen 9 5950Xに対して最大35%向上をさせ、Intelの第12世代CPU、Alder Lake-Sをも大幅に超えると見られています。
一方でライバルのIntelでは2022年10月以降に第13世代CPUのRaptor Lake-Sを発売予定でAMDの最上位CPUであるRyzen 9 7950XはIntelの最上位CPUであるCore i9-13900Kに対してシングルコア、マルチコアともに最大で10%劣るのではないかとリークされているベンチマークで明らかになっています。
このRyzen 9 7950XではCPUの性能面以前にダイサイズを縮小しつつ5nm化でトランジスター密度を高めたことで面積に対して発熱量が大きく、適切に冷やさなければ簡単に95℃に達し、サーマルスロットリング状態になるという情報も出てきています。
AMD Ryzen 9 7950Xは爆熱、CPU温度は95℃超え。原因はダイサイズ縮小?
しかし、適切に冷却さえすればIntelの最上位CPUであるCore i9-13900Kをも超える性能を出せる可能性が出てきているようです。
適切に冷やせばCinebench R23は3.6万ptを超え、Core i9-13900K並に
Ryzen 9 7950XではGeekbenchなどのベンチマークではすでにリークが出現していますが、今回Cinebench R23のスコアが初めて出現しました。
Cinebench R23のスコアに関しては空冷CPUクーラーでベンチマークされた状態と、360mmの簡易水冷クーラーでベンチマークされた状態の2ケースで計測がされています。
まず空冷におけるケースではシングルコアは2205pt、マルチコアは29649ptとなっています。このスコアでも、Ryzen 9 5950Xと比べるとシングルコアは1.3倍、マルチコアは1.2倍で、Core i9-12900Kと比べてもシングルコア、マルチコア共に8%上回るスコアを記録しています。
37k in almost 240w Zen4 16C ES, 360AIO. https://t.co/3WMVCLSXHR pic.twitter.com/eUimsUGpYl
— Raichu (@OneRaichu) September 2, 2022
ただ、この空冷のスコアでは放熱が追いついていないようで動作クロックは全コア5 GHzには達していないとのことです。そこで360mmのラジエーターを搭載する簡易水冷クーラーを使用した場合のベンチマークではシングルコアは計測されていないものの、マルチコアは37452ptが記録されています。
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このスコアはリークで出現しているCore i9-13900Kの電力制限(デフォルト)状態の35698ptを5%上回っているスコアとなっています。Ryzen 9 5950Xと比べるとスコアは1.4倍とこちらも大幅なスコア向上となっています。動作クロックについては16コアすべてが5.1 GHzで動作しているのですが、温度については360mmの簡易水冷を使っているものの96℃に達しているとのことです。
バグ?アンダーボルトすると性能そのままで温度と消費電力が大幅低下する模様
If set manual V with same CLK, can get MUCH reasonable result. And there is a lot of CLK/temp headroom.
More than 3 weeks for launch. Wait and hope to fix this.
Many thanks for tip! ☺️
(2/2)
— 포시포시 (@harukaze5719) September 1, 2022
360mmのラジエーターを搭載する簡易水冷クーラーを使っても温度が96℃に達するなどかなり温度が高いRyzen 9 7950Xですが、Harukaze5719氏によると手動でアンダーボルトを行うと温度と消費電力を大幅に定価させることが可能とのことです。
例えば、Ryzen 5 7600Xをデフォルト状態でAIDA64を動かした際には動作クロック5.05 GHzに達するものの温度は93℃、消費電力は122Wとなります。しかし、コア電圧を手動で下げるなどの調整を加えると同じ5.05 GHzでも温度は56.5℃、消費電力は68Wと6割程度にまで低下するとのことです。
下がり方があまりにも極端なことから数日前から出現していた爆熱という情報もBIOSのバグかBIOSの最適化が不足しているという可能性があるとのことです。
ただ、Ryzen 7000シリーズではダイの面積が大幅に縮小しているが、消費電力は下がっていないことからもし購入を検討している場合は可能な限り性能の良いCPUクーラーを揃えておいた無難と言えそうです。
Ryzen 9 7950Xの性能についてはGeekbenchではCore i9-13900Kが上回っていましたが、GeekbenchではRyzen 9 7950Xが上回るなど様々なワークフローで測ると同等性能ぐらいなのかもしれませんね。360mmラジエーター搭載の簡易水冷で計測というシビアな条件となっていますのでこのまま登場すると多くの人が最大性能を発揮できない状態となってしまいそうです。
ただし、この温度については電圧を下げると大幅に下ることからバグの可能性や最適化不足の可能性があります。ですので、harukaze5719氏が言う通り、発売まであと3週間なので修正なりされることを祈るばかりです。
ちなみに360mmクーラーだと価格は安くても2万円ぐらいします。
PS5は6000円値上げされますので、買えるかは分かりませんが欲しい人は早めにエントリーする事がオススメです。(転売屋からは買っちゃだめですよ)
コメント
コメント一覧 (1件)
>Ryzen 7000シリーズではダイの面積が大幅に縮小しているが、消費電力は下がっていない
やっぱり一番気になるのがこれ。
両者が販売されて、実際のベンチ見てから購入検討した方が良さそうかな。