Intelでは2022年10月を目途に現行のAlder Lake-Sの後継モデルとなる第13世代Raptor Lake-Sを投入予定ですが、この最上位モデルとなるCore i9-13900Kの最終仕様版で計測されたCinebench R23ベンチマーク結果や最大消費電力に関するリーク情報が出現しましたがえげつない消費電力になっています。
10月発売予定のRaptor Lake-S
Intelでは2021年11月に発売が開始された現行のAlder Lake-Sを置き換える目的で、第13世代CPUとなるRaptor Lake-Sを2022年10月頃を目途に発売予定としています。このRaptor Lake-SではAlder Lake-Sに比べてP-Coreのコア数は据え置きなものの、L2キャッシュの大容量化や動作クロックの向上そして、E-Core側は最大で2倍のコア数構成とする事で大幅なパフォーマンス向上が計画されています。
今回、そんなRaptor Lake-Sの最上位CPUにあたるCore i9-13900Kの最終仕様版で計測が行われたCinebench R23のベンチマーク結果と多くの人が気になっている最大消費電力に関するリークが出現しました。
Cinebench R23は4万pt越え。32コアのZen 2 Ryzen Threadripperに迫るスコア
今回、Twitterでリーク情報などを扱うOneRaichu氏がIntel Core i9-13900KのCinebench R23ベンチマーク結果のスクリーンショットを入手したようです。
Left:
Under the power and current unlimited setting.
(default frequency, almost 340-350w)
Right:
Under the power limited setting.
(default frequency, almost 250w) pic.twitter.com/rxISzs55eU— Raichu (@OneRaichu) August 7, 2022
OneRaichu氏によるとCore i9-13900Kの動作クロックは2コアまでであれば最大5.8 GHz、全コア動作時は5.5 GHzで動作するとの事で掲載されたスクリーンショット上では電力制限を解除した設定とデフォルト設定両方でのCinebench R23のベンチマーク結果が掲載されています。
電力制限を解除した設定においてはCore i9-13900Kはシングルコアが2288pt、マルチコアにおいては40616ptを記録しています。
一方でデフォルトの電力設定が有効化された状態においてはシングルコアが2290pt、マルチコアでは35693ptを記録しています。
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電力制限が解除された状態でのスコアである40616ptは電力制限が解除されたCore i9-12900Kの27004ptに対して1.5倍のスコアを付けています。また、AMDの16コアCPUであるRyzen 9 5950Xに対しては1.68倍上回るスコアを記録しています。この40616ptに近いスコアを有するCPUとしては32コアを搭載するAMD Ryzen Threadirpper 3975WXの42354ptとなっており、3年前のHEDT向けCPUとほとんど変わらないパフォーマンスがCore i9-13900Kでは得られるようです。
電力制限が有効化された状態においてもCore i9-13900Kではマルチコアが35693ptとなっており、前世代のCore i9-12900Kに対して1.3倍、Ryzen 9 5950Xに対しては1.48倍上回るなど制限がされた状態においても非常に高いパフォーマンスが発揮できるようです。
最大消費電力は前代未聞の345W。ただし通常時は最大254W程度
今回OneRaichu氏から出現したCore i9-13900Kのベンチマーク結果ですが、画像の右側にはHWINFOで計測されているCPU消費電力(CPU Package Power)の値も含まれています。
この中で、非常に高いCinebench R23スコアを記録した電力制限解除状態ではCPU Package Powerは最大345Wを指しており現行のCore i9-12900Kの電力解除状態で280W程度であることから一気に65Wほど消費電力があがっています。この345WはCinebench R23で近いスコアを記録したRyzen Threadripper 3975WXの280Wをも上回る消費電力になっています。
別のリーカーであるECSM_OfficialからはCore i9-13900KをAIDA64のストレステストに掛けた時の消費電力と温度に関するスクリーンショットがリークされており、ここでは消費電力は315Wとなっており、360mmの簡易水冷を用いた冷却でもCPU温度は90℃に達するとの事です。
なお、上記は電力制限解除状態ですが、制限がある状態においては消費電力は最大253Wと現行のCore i9-12900Kの241Wに対して12W増とE-Coreが8コア増えた割には消費電力はほとんど上がっていないと言えるレベルに留まっています。
Core i9-13900Kの電力制限を解除するとRyzen Threadripper 3975WX並みの性能にはなるものの、消費電力面では3975WXを超えてしまっているため、あまり高い電圧や動作クロックに設定してしまうとワットパフォーマンスが著しく悪化する傾向のようです。
実際にベンチマークのスコアを見てみるとデフォルト状態から電力制限解除を行うとパフォーマンスは14%向上に対して消費電力は36%増えている事からこのことが言えると考えられます。
ちなみに345Wと言うとNVIDIA GeForce RTX 3090に近い消費電力となっていますのでもしCore i9-13900Kを電力制限なしで運用したいと考えている人は1200W程度まで容量を持つ電源を買う事が必須となりそうです。
正直、このCPUを電力制限解除状態で運用する事はあまり現実的では無いので普通に運用するのであれば1000Wの電源があれば安心してCore i9-13900KとRTX 4080などそこそこのグラフィックカードを搭載する事は可能と考えられます。
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