AMDでは自作PCなどパーツ単品でHEDT向けCPUであるRyzen Threadripper Pro 5000シリーズを発売していますが、海外で64コアのRyzen Threadripper (無印) 5000シリーズのES品を入手したユーザーが4.825 GHzまでオーバークロックを行いデフォルト状態より60%高い性能を記録しています。
100万円近い、Ryzen Threadripper (Pro) 5000シリーズ
AMDではコードネームChagallと呼ばれるRyzen Threadripperシリーズの最新鋭モデル、Ryzen Threadripper Pro 5000シリーズを2022年3月8日に発表し、主にLenovoなどOEM向けにCPUを供給していましたが7月頃から自作PCパーツとしてCPU単品での販売も開始がされます。
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そんな、Ryzen Threadripper Pro 5000シリーズですが海外のオーバークロッカーのSkatterBencer氏がRyzen Threadripper (無印) 5990XのES品を入手しオーバークロックしてのベンチマーク結果を掲載しています。
なお、ここで出現しているRyzen Threadripper 5990Xは64コア構成でOPNコードは100-000000443-40_Yと呼ばれるES品で2022年4月にはGeekbench上に出現していますが、お蔵入りとなっているようで登場することはないと見られています。
5 Minute Overclock: Ryzen Threadripper 5990X to 4650 MHz – YouTube
オーバークロックは4.825 GHz。Cinebench R23は10万pt越えに
SkatterBencher氏のオーバークロック方法としては、まずAMD純正オーバークロック機能であるPBOやCurve Optimizerを利用し、更に限界までオーバークロックをするためにマニュアルでの調整を入れるやり方になっています。
Ryzen Thraedripper 5990Xのオーバークロックの限界値としては8つある内のCCDでCCD4が4.82 GHzと最も高い動作クロックを記録しています。
このオーバークロック状態でのベンチマーク結果としてはCinebench R23では100,191ptを記録し、CPUは水冷で冷却がされていますが最高温度は96.8度、CPUの消費電力は691Wに達しています。
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Ryzen Threadripper 5990Xのデフォルト状態ではCinebench R23のスコアは63,300ptとなっており、PBOでオーバークロックを行うと一気に1.4倍近い約87,000ptまでスコアが伸びるようです。ただ、マニュアルでのOCを行うとデフォルト状態に大して1.6倍近い100,389ptと言うスコアが達成できるとの事です。
Toms HardwareがこのオーバークロックについてAMDにRyzen Threadripper Pro 5000WXシリーズでも行えるのか確認をしたところ、一部のWRX80マザーボードにおいてはオーバークロックのサポートが行われているとの事です。
今回オーバークロックが行われたRyzen Threadripper 5995XについてはES品であるため元々の性能については通常よりも低くなっていますが、それでも5 GHz近いオーバークロックそしてバケモノクラスのCinebench R23スコアを出しているため、市販版のRyzen Threadripper Pro 5980WXなどでオーバークロックを行えば今回出現したスコアより更に伸びる可能性はありそうです。
ただ、Ryzen Threadripper Pro 5980WXについてはマザーボードと組み合わせると100万円以上する構成となるためオーバークロックを行う人が居るかどうかについては謎ですが、夢はありますね。
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