Intelの12世代CPUであるAlder Lake-Sでは発売初期に生産がされた一部モデルではE-Coreを無効化にする事でAVX-512の利用が可能でしたが、後ほどXeonなどより高価格帯商品でのみAVX-512が使えるようにCPUのステッピングに変更が加えられました。しかし、AVX-512を探し求めるユーザーは一定層いる様で過去には外箱から確認できる方法がありましたが、今回はCPU本体を見て確認する方法が見つかったようです。
Intel Alder Lake-SとAVX-512問題
AVX-512は動画エンコード時や機械学習の高速化などに用いられている命令セットで、Intel製のコンシューマー向けCPUではAlder Lake-Sの前世代であるRocket Lake-Sでは対応していました。そして、Alder Lake-SでもCore i9-12900Kなどハイエンドモデルが中心に発売がされた2021年11月時点では2種類のコアであるP-CoreとE-Coreの内、AVX-512に非対応となるE-Coreを無効化するという設定が必要なものの、AVX-512の利用は可能でした。
しかし、Intelはミドルレンジ以下の製品を発売する2022年1月頃からAVX-512が利用可能になる設定は意図しない動作であるとし、マザーボードメーカー各社に対してAVX-512を無効化するBIOSアップデートを配布するように迫り、同時に新たに出荷されるAlder Lake-S CPUではAVX-512をハードウェアレベルにて無効化する事を発表しています。
そんなIntel Alder Lake-SとAVX-512ですが、2022年6月現在でも初期の方に生産されたモデルはAVX-512を動かせるチャンスがあり、2022年4月頃には外箱からAVX-512対応かどうかを判別する方法が見つかりましたが、今度はCPU本体を見てAVX-512対応か判別する方法が見つかったようです。
CPU左上のインテルマークでAVX-512対応可否が判別可能
IntelはAlder Lake-S CPUからAVX-512を無効化する措置を2022年3月出荷分から実施されているようですが、まだ量販店やヤフオクやeBayなど中古のAlder Lake-S CPUにはAVX-512対応のものが混じっている可能性は十分にありますが、今回YoutuberのLuumi氏がAVX-512対応可否をCPU本体を見るだけで判別する方法を発見したそうです。
Luumi氏によるとIntelではAVX-512をCPU本体から無効化するタイミングでIHS左上に刻印されているIntelマークを最新のものに切り替えたようです。そのため、この左上のIntelマークを見ればAVX-512に対応なのか否かを判別する事が可能との事です。
CPU左上に存在するマークはIntelのロゴマークを簡略化したものが示されていますが、元となるIntelのロゴマークは2020年9月に刷新がされており、従来まではIntelの文字を円で囲ったロゴでした。それが、2022年3月より出荷されているCPUでは新しい四角い現代風のロゴに刷新がされており、CPUの刻印もIntelのハイブリッドアーキテクチャーを示す大小異なる2つのコアが刻印されています。
前回は箱に記載がされているシリアル番号を元にAVX-512に対応可否の判断ができると言われていましたが、Alder Lake-Sも登場から半年が経ち、中古品としても出回るようになってきています。そんな中でCPU本体のロゴを見るだけでAVX-512対応可否が判断できるのはAVX-512を必要とするユーザーにとってはありがたい裏技と言えそうです。
Intelもいい加減しょうもない制約を付けるのはやめて、素直にAVX-512対応にしておいて欲しいですね・・・