AMDではZen2とRDNA 2を内蔵するMendocino APUをCOMPUTEX 2022にて発表し、このAPUを搭載するAYANEO Air Plusと呼ばれるハンドヘルドデバイスが発表され、Steam Deckの対抗馬になると期待されていましたが、どうやらこのMendocino APUの内蔵GPUについては機能が大きく削られたAPUになるようです。
Zen2+RDNA 2内蔵で6nmで製造されるMendocino APU
AMDではCOMPUTEX 2022にてRyzen 7000シリーズなどの発表と他に、新たなモバイル向けAPUであるMendocino APUを発表しました。このMendocino APUはCPUには旧世代となるZen2アーキテクチャーを搭載し、GPU側には最新鋭のRDNA 2を内蔵、それらをTSMC 6nmで製造する事で薄型軽量かつ廉価なChromebookやWindowsラップトップ向けへの投入が2022年10月以降に予定されています。
このMendocino APUについては最近、AYANEO Air Plusと呼ばれるハンドヘルドデバイスに搭載される事が発表されており、同じくZen2+RDNA 2を組み合わせたAPUを搭載するSteam Deckのように高いゲーミングパフォーマンスを発揮するのでは無いかと期待されていましたが、どうやらこのMendocino APUのグラフィックス性能については期待しない方が良いレベルのものになる可能性が高いようです。
Compute Unitはなんと2基のみ。Ryzen 7000シリーズの内蔵GPUよりも少なく
Mendocino APUについては詳細な仕様がAMDからは発表されておらず、現時点ではCompute Unitの数などは正式には判明していませんでしたが、AYANEO Air Plusの発表を受けて、定評のあるWeibo上のリーカー、Golden Pig Upgrade Pack氏によってこのMendocino APUのCompute Unitの数についてリークをしています。
Golden Pig氏によると、Mendocino APUには2基のCompute Unitしか搭載されない様で、搭載されるメモリーもシングルチャンネルのDDR5になるようです。
この2基のCompute Unitが正しければ、SP数は128基で浮動小数点演算は動作クロックにもよりますが、Steam Deckと同じように1.6 GHzでの駆動であれば0.4 TFLOPs程度の性能となります。(Steam Deckでは最大1.6 TFLOPs)
ちなみに、2022年秋頃発売が予定されているデスクトップ向けRyzen 7000シリーズにもRDNA 2 GPUが搭載されますが、こちらは4基のCompute Unitを内蔵している事から内蔵GPUの性能としてはかなり低いものになるようです。
このMendocino APUについて、ここで出ている話はあくまでリークであり正式にはどのような仕様になるかは分かりません。ただ、このMendocino APUのターゲットが薄型軽量かつ廉価なChromebookやWindowsラップトップ向けへの搭載が視野に入れられている製品であることから、Compute Unitが2基と言う仕様は正しいと考えられます。
Mendocino APUについては発表当初からSteam Deckと同じZen2+RDNA 2という事でSteam DeckのAerith APUを他のOEM向けに拡大させた製品であるのではと見られていましたが、どうやら全く別の製品で性能面では大幅に削り落とされたような代物になっていそうです。AYANEO Air Plusでは発売前のキャンペーン価格として199ドルでの販売価格を提示していましたが、もしCU2基と言うのがMendocino APUの仕様であれば、199ドルと言う価格は納得がいくものとなります。
なお、CU2基では恐らくほとんどのゲームは快適に動かす事は困難で、性能的にはVega内蔵のRyzen 5000シリーズ系にも劣ると見られるため、もしSteam Deck以外のハンドヘルドデバイスが欲しい場合、12基のCUを内蔵するRyzen 6800Uを搭載のAYANEO 2を購入した方が良いと思います。
コメント
コメント一覧 (1件)
Mendocinoと言えば往年のCeleron300Aを思い出してしまう。
まさかAMDの製品が同じコードネームを使うなんて。