x86 CPUシェアを調査しているMercury Research社によると、AMDの2022年第一四半期におけるx86 CPUシェアが過去最高の27.7%を記録したとの事です。けん引役はモバイルとサーバー向け製品のようです。
CPUシェア過去最高を記録したAMD
AMD Gains CPU Share Amid Biggest Desktop PC Quarterly Decline In History
調査会社であるMercury Research社が2022年第一四半期における各種CPUのシェアに関する調査結果を発表しました。この中で特に顕著に伸びているのがAMDのようで、2022年第一四半期の結果ではAMDがCPUシェアの27.7%を握る事に成功しており、AMD史上過去最高の値になっているとの事です。
AMDのデスクトップ向けCPUシェアは前年比では下落。Alder Lake-Sの影響
デスクトップ向けCPUについてはAMDのシェアはRyzen 5000シリーズを発売した20年Q3から21年Q1まではシェアが19%〜20%代を推移していました。しかしそれ以降はデスクトップ向けCPUの供給不足が顕在化し、シェアが低下、さらに21年Q4にはIntelがAlder Lake-S CPUを発売したことでシェアは16.2%にまで低下、前年同期比では-3.1%を記録しています。
22年Q1 | 21年Q4 | 21年Q3 | 21年Q2 | 21年Q1 | 20年Q4 | 20年Q3 | 20年Q2 | 20年Q1 | |
AMD デスクトップ向けCPUシェア | 18.30% | 16.20% | 17.00% | 17.10% | 19.30% | 19.30% | 20.10% | 19.20% | 18.60% |
モバイル向けCPUは伸張。前年比4.4%増に
モバイル向けCPUでは22年Q1はAMD、Intel共に出荷量が減少しているとのことですが、AMDではその減少幅が少なかったようで結果的に市場シェアは増えています。
22年Q1ではAMD製モバイルCPUのシェアは過去最高の22.5%を記録、前年同期比では+4.4%と順調にシェアを伸ばし続けているようです。
22年Q1 | 21年Q4 | 21年Q3 | 21年Q2 | 21年Q1 | 20年Q4 | 20年Q3 | 20年Q2 | 20年Q1 | |
AMD モバイル向けCPUシェア | 22.50% | 21.60% | 22.00% | 20.00% | 18.00% | 19% | 20.20% | 19.90% | 17.10% |
サーバー分野でも強い。前年比2.7%増
AMDのサーバー向けCPUのシェアもモバイル向けCPUと同様に過去最高の値を記録しています。22年Q1にはシェアが11.6%を記録し、前年同期比では+2.7%で前期比では+0.9%となっています。サーバー向けCPUのシェアについては19年Q2以来前期比増を継続して記録していることから、AMDのサーバー向けシェアについては順調に伸ばしている状況にあるようです。
22年Q1 | 21年Q4 | 21年Q3 | 21年Q2 | 21年Q1 | 20年Q4 | 20年Q3 | 20年Q2 | 20年Q1 | |
AMD サーバー向けCPUシェア | 11.60% | 10.70% | 10.20% | 9.50% | 8.90% | 7.10% | 6.60% | 5.80% | 5.10% |
x86 CPU全体ではAMDは前年比7%の伸びを
デスクトップ向けでは前年同期比、前期比共に減少を記録していましたが、モバイル向けとサーバー向けCPUシェアではシェアを伸ばし続けていることからx86 CPU全体のシェアとしては22年Q1は27.7%でAMDが記録したシェアとしては過去最高を記録しているようです。
22年Q1 | 21年Q4 | 21年Q3 | 21年Q2 | 21年Q1 | 20年Q4 | 20年Q3 | 20年Q2 | 20年Q1 | |
AMD x86 CPUシェア | 27.70% | 25.60% | 24.60% | 22.50% | 20.70% | 21.70% | 22.40% | 18.30% | 14.80% |
デスクトップ向けCPUでは21年Q4、22年Q1で明らかにシェアを落としていることから、AMDにとってIntel Alder Lake-Sの影響は大きかったものと見られます。モバイル向けCPUではAMDが22Q1もシェアを伸ばし続けていますが、モバイル向けAlder Lakeが22Q1から登場していることから、今後どのように推移するのか注目です。ただ、22Q3以降ではZen 4搭載のRyzenが出現するため、AMDでは巻き返しを図るものと見られます。
サーバー向けCPUではAMDは右肩上がりでシェアを伸ばし続けており、今後Zen 4搭載のEPYC Genoaなど強化を続けていく中、IntelはSapphire Rapidsの開発遅延やその先の製品についてもロードマップなど動向が不明なため、今後もサーバー向けCPUではAMDのシェアが伸張することは確実と考えられます。
コメント